ナイキ エア ズーム ペガサス 37を分解してみた!

 

はじめに…

前作のペガサス 36から大幅なアップデートを遂げた最新作ナイキ エア ズーム ペガサス 37

今回はレビュー記事に続いて、ペガサス 37をより深く理解するためにアッパー、ミッドソール、アウトソールを分解し、内部構造を細かくチェックしていきたいと思います。

今回の分解で注目してほしいポイントは、

アッパーの細かい内部構造
ミッドソール前足部分に内蔵されている大型のズーム エア
初の試み「アウトソールの分解」

大きく分けて上記3つのポイントとなっています。

既にナイキ公式で大まかな分解図が公開されているので、この画像と実物を見比べつつ、ナイキが公開していない細かい部分を紐解き、よりを理解した上で効率的なランニングをサポートできれば幸いです。

↑動画版も是非ご視聴下さい↑

ナイキ エア ズーム ペガサス 37



アッパーの分解

アッパーの分解を紹介する前に、今回の分解から力を貸してくれる優秀な新アイテムを紹介させて下さい。

上記画像右側に鎮座している彼女が、”アセトン”さんです。
世間一般では除光液と呼ばれている彼女は、接着剤などの合成素材を分解してくれるので、「熱を加えず綺麗に分解できるのでは?」と視聴者さんからの神の声を参考に、今回から使用してみることにしました。

この”アセトン”の効果も合わせて、本記事を楽しんで頂けると嬉しいです。

 

では、分解後の部位毎の解説に移ります。

まずはシューレースを紹介します。
長さはメンズ28cmで約120cmとなっていました。
ナイキではシューレースの単体販売を行っていないので、万が一破損してしまった場合は、上記長さを参考に近しいサイズ、構造の別メーカーのシューレースをABCマートやゼビオなどの活用し、購入しましょう。

 

シューレースの機能面について少し解説します。
ズームしてみると分かりやすいので、少しズームインしてみましょう。

細かい凹凸がある平織りタイプのシューレースであることが分かると思います。

これは、最近販売される多くのナイキパフォーマンスシューズに採用されている構造で、凹凸が噛み合うことで非常に解けにくいシューレースとなっています。

個人的にも大好きな構造で、使用して解けたことは現時点で1度もありません。

好き嫌い、好みはあるとは思いますが、現時点で一押しの構造と言えます。

 

それでは、アッパー本体の分解後の解説に移っていきましょう。

目に見える表面はレビュー記事で解説しているので言うことはありません。
レビュー記事で詳細を確認して下さいね!

足の当たる裏面はこんな感じです。
画像からは伝わりにくいかもしれませんが、かなり滑らかな肌触りの良い合成繊維のメッシュで構成されています。
画像からはゴワついたボテッとした印象を受けるかもしれませんが、

重量はメンズ28cmで60gと非常に軽量な仕上がりとなっているので、ご安心下さい。
見た感じ重そうな印象を私自身も感じていたので、この結果には非常に驚いています。

 

つま先部分からもう少し細かくアッパーの構造を確認していきましょう。

足に当たる内側部分のつま先側はこんな感じです。
少し厚手のオープンメッシュが通気性と快適性を良い塩梅で両立してくれています。

先ほどの部分を捲ると通常目に見えている表面部分の裏側が顔を出します。
薄い薄いと連呼していますが、実際どれくらい薄いのかというと…

透けて向こう側がはっきり見えるくらいの極薄仕様となっています。
ここまで薄いとトランスルーセント(光を通すくらい薄い)風ではなく、トランスルーセント以上の薄さと通気性、軽量性と言った方が適切かもしれません。



続いては、ペガサス 37で個人的に一番気に入ってるパーツ…ミッドフットバンドが配置されている中足部の紹介です。

先ほど紹介した足に当たる部分とミッドフットバンド、表面のアッパーの3層構造となっている中足部分。

この中足部分で最も注目すべきは、ピンク色ミッドフットバンドです。

ミッドフットバンドは表面の合成スエードを

裏面の細かい編み込みのシャカシャカ系合成繊維で補強した安心設計となっています。

この薄いながらもしっかりとした安心設計が、足の甲を中心に適度な塩梅のフィット感(強すぎず弱すぎず)を提供してくれる所以なのでしょう。

ちなみに、シューレースを通す部分は着脱時の負荷を考え、合成樹脂で補強されています。

この構造だから雑に扱っても問題ないというわけではありませんが、高負荷に耐えうる構造を拒む人はいないでしょう。

かなり薄手の合成樹脂なので、重さに影響がないという点もGoodです。

 

次は、シュータン(ベロ)部分の内部構造を紹介します。

ペガサス 37は、パッと見従来の形状のシュータンに見えがちですが、真ん中部分がアッパーに縫い付けられているハーフブーティー構造を採用しています。

ハーフブーティー構造は、抜群のフィット感とズレにくさを提供してくれるのが特徴的で、上級者も納得の構造と言えます。

補足ですが、シュータン内部もおまけ程度の薄手のスポンジが内蔵されているので、快適性…抜群です。。。

 

アッパー最後は、ヒール部分の内部構造を紹介したいと思います。

足に当たる内側部分の素材
薄手の跳ね返りの少ないスポンジ
厚手の跳ね返りのある衝撃吸収性に優れたスポンジ
柔軟性のあるTPUプレート
アッパー表面のエンジニアードメッシュ素材

の5層構造を採用しています。

メッシュで足触りの良さを、スポンジでアキレス腱を守るクッション性を、TPUプレートで耐久性を提供してくれる複雑ですが頼もしい構造と言えると思います。

アッパーの構造を振り返ると、
つま先部分は2層構造中足部分は3層構造ヒール部分は5層構造と適材適所の構造を採用している…簡単に言うならば過去最高レベルで拘っているアッパーペガサス 37ではないでしょうか?



ミッドソール、インソールの分解

アッパーを剥がすと…

こんな感じです。

それでは、上から順に紹介していきましょう。

まずはインソールから。

機能面に関しては、レビュー記事で紹介したとおり、分解しても厚めの柔らかいインソールであることに変わりはありません。

断面図を見ると、通常のナイキランニングシューズと比べて足裏が当たる部分が特に厚みがあるのが伝わると思います。

また、使用されているEVA素材の密度が濃く、クッション性と反発性があるであろうことが伝わるってくるはずです。

ちなみに、インソールは粘着されていないので、合わないと判断した場合も容易に外すことが可能となっています。

 

インソールを剥がすと…

ストロベル部分が顔を出します。

ストロベルとは、シューズの耐久性(アッパーの構造やサポート性と形状を保つ)を上げている多くのシューズに採用されている構造です。

ペガサス 37はのストロベルは、そこまで工夫された構造ではないのですが、やや柔らかめの素材を使用しているため、前足のズーム エアリアクト素材をダイレクトに感じる塩梅に仕上がっている印象を受けました。

上記画像が表面で、

上記画像が裏面になります。

裏面は耐久性を上げるため、網目状の繊維が張り巡らされています。
ちょっとした工夫ではありますが、細部にまで拘った作りになっていることが、こういう部分から伝わるのは個人的に嬉しく思います。

 

ストロベルを剥がすと…

もう一つ補強パーツが配置されていました。
上記画像からは伝わりにくいのですが、

このナイロンっぽい素材が全面に貼り付けられています。
こいつが分解した際に結構厄介で、今回最も苦戦したポイントです。

冒頭に紹介した”アセトン”が影響してなのか、リアクトとこいつが密になってしまい、剥がすのに10分ほど時間を要してしまいました。

リアクトがべっとりこべりついているので、苦戦したことが伝わると思います。

こいつ自体がシューズにもたらす効果は、先ほど紹介したストロベルと同じ耐久性(アッパーの構造やサポート性と形状を保つ)です。

パワーが常にシューズに加わるランニングというスポーツに適した耐久性をもたらすには、このように2重の補強が必要ということでしょう。

分解することでシューズの耐久度の高さに気付かされる…分解って奥が深いんだなと改めて感じた瞬間です。



いよいよ次は、ズーム エアです。

冒頭で紹介した、ナイキ公式が公開しているサイズと同じズーム エアがしっかりと前足部分に内蔵されていました。

足裏に当たる表面と

リアクトにくっ付けられていた裏面の画像です。
アセトン”の効果なのかリアクトががっつりこべりついてしまっています。

ちなみに大きさは、
下が前作のペガサス 36に搭載されていたフルレングスのズーム エア
上左がペガサス 37の前足に搭載されている大型のズーム エア
上右がライバル フライに搭載されている従来の大きさのズーム エアです。

大きさはフルレングスのズーム エアに劣りますが,


※真ん中がペガサス 37に搭載されているズーム エア

厚さは今までにない仕上がりとなっているため、走行中に感じる反発性がピカイチであることが、上記画像からより伝わると思います。

 

また、ズーム エアにも少し工夫が施されていることが分かりました。
上記画像をよーく見ると…横に溝が入っていることが分かると思います。

これは前への動きをよりスムーズに行うための工夫となっています。

ズーム エアは密度の濃い空気と繊維状の合成素材が入っているので、溝を入れないとどうしても硬くなってしまい、スムーズな足の移動の妨げになってしまいます。

ちなみにこの溝は、表裏両方に配置されているので、足の動きに合わせた柔軟な動きを可能としてくれています。

かなり細かい情報とはなってしまうのですが、上記画像で私が指でつまんでいる素材が、

ズーム エアの前足側に親指の第一関節ほどの大きさで配置されていました。

この素材は非常にソフトで反発性のないオープンな密度のスポンジに近い素材となっており、極端な話「ズーム エアの反発性を邪魔しているのでは?」と疑問に感じてしまいました。

現に前足ズーム エアが感じられないという声が上級者の方から漏れていることも事実で、この素材の配置が影響してるのではと感じてしまいます。

他のズーム エア搭載シューズにはない構造となっているので、至急改善して欲しいポイントだと個人的には感じています。

 

ミッドソール最後は、ミッドソールの大部分を占めているメイン素材リアクトの紹介です。

 

寄りで撮っても特に大きな工夫は見受けられませんでした。。。

強いて言うなら、前足のズーム エアが搭載されている部分はズーム エアの大きさの兼ね合いでかなり薄手となっています。

これは外見からでは伝わらない部分なので、分解の妙ですね。

前足が薄手ということは、地面をより感じられる優れた接地感だということです。

多くのプロランナーは、細かい足の動き地面の凹凸を感じられる研ぎ澄まされた状態で走ることを好みます。

ペガサス 37ミッドソールは、この細かい感覚的な部分をしっかりとフォローしてくれる構造なのでははないでしょうか?



アウトソールの分解

今回は、”アセトン”の効果もあり…

アウトソールの分解に成功しました!!

5分〜10分ほど”アセトン”に浸してペンチで剥がしてみたところ、時間は要しましたが綺麗に剥がすことができました。

柔軟性が高い順に並べると…

 

 

こんな感じです。

細かい溝が入って入ればいるほど柔軟性が高かったので、分解しなくても判断できてしまいますが、分解することで確信に変わったことはでかいと思います。

また、凹凸部分の凸部分は想像より柔らかかったので、足を踏み込む際にピストンすることでクッション性をプラスすることもしっかりと実証できたのは大きいと思います。

画像からは伝わりませんが、指でこすることでグロップ力の高さを感じましたので、その点はお時間があれば動画にてご確認下さい。



さいごに…

いかがでしたか?

分解記事問わず、回を重ねる度に記事のボリュームが増しているので、どうか時間のあるときにゆっくりとご覧頂けると幸いです。

動画もそうですが、決して無理はせずにお願い致しますね。

特に今回紹介したペガサス 37は、分解しなければ気付かない点が多かったので、使用して?と思う部分があるにご覧頂きたい仕上がりとなっています。

また、購入前の事前情報として頭に入れて頂き、実際に走ったときにピースを1つずつはめていくようなイメージで、ご覧頂くのも非常に面白いと思います。

次回、初心に帰る…いや今後見れなくなる構造を今のうちに見ようをテーマにとあるランニングシューズをレビュー、分解予定です!

現在Nike.comにて全体的に配送遅延が発生しているため、時間を要すかもしれませんが、ご期待頂けると嬉しいです!!

↑動画版も是非ご視聴下さい↑

ナイキ エア ズーム ペガサス 37

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