はじめに…

レビュー記事でもお伝えしたとおり、廃盤が噂されているナイキ エア ズーム ストラクチャー 22。
「廃盤前に分解したい!」との私自身の願いを叶えるためにレビューしたという側面もあるので、気合を入れて分解し、内部構造を細かくチェックしていきたいと思います!!
要チェックポイントは、
上記2本立てとなっております。
また、動画を見て頂いた方であればご存知かと思いますが、今回…シューズを鍋で煮込んでおります!!
ちなみに、動画のコメント欄に寄せられたご意見を参考に実施しています。
鍋で煮込むことで接着剤が剥がれ、今まで苦戦していたストロベル部分をキレイには剥がせるのでは?とのこと。
「これは試す以外ないぞ!」ということで、機能以外に分解のキレイ度にも注目して頂ければ幸いです。
↑動画版も是非ご視聴下さい↑
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ストラクチャー 22のアッパーを分解

まずはアッパーを紹介していきます。
最近のナイキランニングシューズは、アッパーがかなり薄手になっているため、いつもなら1分程度で分解が可能です。
しかし、ストラクチャー 22は販売から約2年ほど経過している旧式シューズ。
全体的に厚手で、特にヒール部分がTPU(プラスチックに近い素材)の影響で非常に頑丈に作られています。
そのため、分解にいつもの倍以上、5分から10分くらいの時間を要してしまいました。
これは決してマイナスではなく”耐久性が高い”と言えるので、プラスに考えたいと思います。
それでは、分解後のアッパー(特に内部構造)を細かく紹介していきたいと思います。

おもて面をめくると足に直接当たる部分が顔を出します。
この部分は、いつも通り接着剤でくっ付けられています。

つま先から中足にかけて上記画像のように2重構造を採用しています。
最近のナイキランニングシューズは、おもて面が極薄で足に当たる裏面がやや厚い素材を配置することが多いのですが、ストラクチャー 22は面裏ともに厚手の合成繊維を配置しています。
サポート性を重視しているシューズなので、理にかなった構造と言えますね。
通気性は物足りないかもしれませんが、ホールド感と足触りが抜群なので、用途問わず初心者ランナーに最適です。
また、上級者ランナーであれば、リカバリーランなどの足に負荷をかけずに走りたい時の相棒に最適だと思います。

次にフライワイヤー部分を紹介します。
最近使用されることが少なくなってきたパーツなので、需要があるかは?ですが、フライワイヤーは画像のようにミッドソールに縫い付けられています。
刺繍のようにこれでもかと言うくらいしっかりと縫い付けられているので、根元からほつれる心配はなさそうです。
しかし、フライワイヤー自体は極細なので、無理にシューレースを調整すると千切れてしまう可能性は十分に考えられます。
特にシューレース(靴紐)と擦れて千切れるケースが多い印象なので、無理のない調整を心がけて下さいね。

次はシュータン部分を紹介します。
シュータンは、これまた旧式タイプの厚手の構造を採用しています。
厚手ということは圧迫感があり、サイズ感(特に長距離ランニングの後半の足がむくんだ際)が難しいと感じる方がいるかもしれません。
しかし、画像のように厚手のスポンジが内蔵されているので、柔らかい足触りがGoodです。
一長一短ではありますが、サイズ感さえビタッとはまれば快適に使用できるはずです。
また、ハーフブーティー構造(アッパーに縫い付けられた半一体型の構造)なので、ズレる心配は皆無でしょう。
次は、中足からヒールにかけての内部構造を紹介します。


前足部分とは異なり、足に当たる部分から合成繊維、TPU、合成樹脂(合成繊維に被せた)の3層構造を採用しています。
足に当たる部分の合成樹脂は前足部分と変わらず足触りが良い滑らかです。
TPU部分は、最近のシューズとは異なり柔軟性が低く硬くしっかりとした素材感で、個々の足に合わせてというよりは有無を言わさず固定するといった感じです。
おもて面の青い合成樹脂部分は、薄い合成繊維に合成樹脂を貼り付けています。
これまた柔軟性があまりなく、かかとを固定することに特化した構造となっています。
レビュー記事で紹介したヒールがブカブカと浮いてしまうのはこの構造が影響してなのかなと感じました。
人によってはピタッとはまるとは思うので、ストラクチャー 22は特に試着、試走が大切なシューズと言えますね。
アッパー最後はヒール部分の内側に配置されているスポンジを紹介します。

シュータン部分と比べると、かなり厚手のスポンジが配置されています。
特に上記画像のアキレス腱が接する部分が厚手で、不快に感じやすいアキレス腱部分をしっかりとフォローしている印象を受けました。
触った感じ最新モデルのペガサス 37などに使用されていたスポンジと同様で、ナイキは内部のサポートはこのスポンジに一任していると思われます。
ちなみにこのスポンジは、弾力性、クッション性が高く「ずっとプニプニ触っていたい」と感じる快適性を兼ね備えています。

ストラクチャー 22のミッドソールを分解

それでは、鍋で煮込んだ効果が最も垣間見えるミッドソール部分を紹介して行きます。

インソールはサポート性を意識した厚手の形状を採用しています。
EVA素材を厚手に配置することで、高い耐久性(高い形状維持能力)と適度なクッション性をランナーに提供してくれています。
ちなみに、粘着されていないタイプとなっています。
次はストロベル部分を紹介します。

まずは、キレイに分解できていることに注目してほしいです。


鍋で煮込んだ効果が絶大で、接着剤がキレイに剥がれていることが伝わると思います。
いつものように細切れになっていないのは、非常に進歩したのではないでしょうか?
特に機能面で言うことはないのですが、2層構造のストロベルとなっていて、グレーに部分が柔らかく、白い部分はシャカシャカ系のゴワついた素材感となっています。
ストロベルは、シューズの耐久性(アッパーの構造やサポート性と形状を保つ)を高めるためのパーツなので、2層構造=耐久性が高いシューズと言えますね。
ちなみに、動画をご覧頂けると早送りとはなっていますが、スムーズに剥がれている様子が確認できます。
次はズーム エアを確認していきましょう。



キレイに分解できてますね(完全に自己満です)。。。
ぱっと見、数多くのナイキランニングシューズに採用されているズーム エアと形に見えますが…

↑左がストラクチャー 22、右がライバル フライ
全く同じ形でした!
今までの分解でカテゴリ問わずこの形が採用されているケースが多いので、ナイキのスタンダードと考えて問題ないと思います。
おそらくですが、機能、コスト両方の面から効率的な形なのでしょう。
形以上に気になったのは、ペガサス 37のズーム エアにあった溝が配置されていなかったということです。
溝が無い分足の動きに合った反応は難しいでしょう。
ペガサス 37の形状は特別なので、比べるのは…ですが、ペガサス 37のような走法を問わない汎用性は期待しないであげて下さいね。
ミッドソール部分最後は、ダイナミックサポートテクノロジーが搭載されたミッドソールの御本尊を紹介します。

ダイナミックサポートテクノロジーが要注目ポイントではありますが、まずは前足部分に注目してみましょう。
画像を確認すると3本の溝が入っていることが分かると思います。
溝の効果で、蹴り出しの際に足の形に合った形状に反応し、より正しい足運びを後押しをしてくれています。
蹴り出しがスムーズに行えるということは、次の着地もスムーズに行える可能性が高まりますよね?
ダイナミックサポートテクノロジーに注目されがちですが、蹴り出しまでサポートしているとは天晴れです。
蹴り出しをサポートしていることは、分解しないと分からない部分なだと思うので、この溝が知れたことが今回の分解で一番大きいと個人的に感じています。

お待たせ致しました。
いよいよダイナミックサポートテクノロジーの実態を確認していきます。
おさらいすると、ダイナミックサポートテクノロジーは、オーバープロネーションに対応した構造を指し、内側を硬く、外側を柔らかくすることで正しい足運びをサポートしてくれる構造となっています。
↑詳細はこちらでご確認下さい↑
画像を見た感じ一切伝わらないですよね。
全くもってダイナミックサポートテクノロジーが搭載されていることは分からないと思います。
しかし、触って見ると「おぉ〜!」となります。
先入観があるので思い込んでしまっている節はあると思いますが、しっかり内側が硬く外側が柔らかくなっていると感じました。
指でちょんと触るのが一番分かりやすかったです。
文字で伝えるには限界があるので、詳細は動画にてご確認頂けると嬉しいですし分かりやすいと思います。
お時間があるときにぜひご覧下さい!!

ストラクチャー 22のアウトソールを分解

まずはキレイに剥がせていることに注目して下さい。
「自分で自分を褒めたいです!」と自然と口走ってしまうほど、キレイに剥がれたと自画自賛しています。
機能面はレビュー記事で解説しているので、特に言うことはないのですが、

黄色い部分が僅かに脆いと言うことだけ言っておきたいです。
鍋で煮たことが影響しているとは思いますが、ボロボロ剥がれてしまうので、キレイに剥がすことができませんでした。
ただ、剥がれた外側の部分は柔軟で柔らかく、ボロボロ剥がれた内側部分は固定感が強くて硬い…これはオーバープロネーションを意識した構造と言えるのではないでしょうか?

さいごに…

いかがでしたか?
オーバープロネーションに対応した安定感が高いランニングシューズであることが、ダイナミックサポートテクノロジー以外からも伝わる分解になったと思います。
見えない部分もオーバープロネーションに対応しているということを少しでも理解することで、内部構造を知らない方と比べるとより正しい走法でランニングすることができるのではないでしょうか。
ただ、情報が多いと余計混乱してしまうかもしれません。
しかし、「オーバープロネーションだからこそたくさんの情報を得られたんだ!」とポジティブに考えて頂ければ嬉しいですし、健康的だと思います。
ちなみに補足情報とはなりますが、メンズ28cmに搭載されているシューレース(靴紐)の長さは約120cmとなっていました。
シューレース(靴紐)を交換する際の目安にご活用下さい!!
↑動画版も是非ご視聴下さい↑
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