目次
はじめに…

「進化の限界を定めるのではなく、次に打ち破る記録を見据えている」という言葉をテーマに、上級者に向け展開されているヴェイパーフライ ネクスト%をレビュー、評価していきます。
ナイキ最速のレーシングシューズとしてプロのランナーも実際にレースで使用しているヴェイパーフライ ネクスト%は、クッション性、反発性、軽量性、雨や汗への耐性を最高級の水準で兼ね備えた最強のレースシューズとして君臨しています。
前作のヴェイパーフライ4%フライニットから、アッパー、ミッドソール、アウトソール全てがアップデートされており、どのような環境でも高記録を生む事が可能な仕様となっている。
このアップデートは、キプチョゲやモーファラーの意見を取り入れた事で実現し、結果として高記録を生んでいます。

ヴェイパー フライ ネクスト%はロンドンマラソンを席巻

女子2位:チェルイヨット
女子3位:デレジェ
上記全てのランナーがヴェイパーフライ ネクスト%を使用していました!!
まだまだ進化を遂げる事が予想されるナイキランニングシューズではありますが、今日は現時点で最強の一足について細かく紐解いていきたいと思います。

ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%の詳細について

スタイル:AO4568
価格:27,500円(税抜)
対象ランナー:上級ランナー(サブ3)、向上心がある中級者ランナー(サブ3.5)
重量:メンズ28cmで約195g、メンズ27cmで約185g、メンズ23cmで約135g
オフセット(ドロップ):8mm(前足30mm、ヒール38mm)
※データが無く独自採寸
素材→
アッパー:合成繊維(ヴェイパーウィーブ)、合成樹脂
ミッドソール:ズームX
アウトソール:合成底
サイズ感:足入れした感想はヴェイパーフライ4%フライニットよりゆとりがある印象です。また、サイドに流れているシューレースが影響して快適な履き心地、使用感です。前作のヴェイパーフライ4%フライニットをサイズUPして購入しジャストだった方は元に戻して良いのではと感じています。

新しい素材Vapor Weave(ヴェイパー ウィーブ)素材のアッパー

ナイロンとTPUを組み合わせて作られたVapor Weave(ヴェイパー ウィーブ)素材をアッパーに採用しています。
Vapor Weave(ヴェイパー ウィーブ)素材は、超軽量で水への強さが抜群にあるというのが特徴です。
前作のヴェイパーフライ4%フライニットと比べると約90%水や汗を吸収しにくく、雨などの悪天候、汗を多くかく夏場のランニングを快適に行う事が可能です。
前回の東京マラソンを思い出して下さい。
大迫選手が悪天候により棄権してしまいました。
これは、寒さだけではなく、足元の不快感も影響していると言われています。
どのような環境下でも最高のパフォーマンスを発揮できるよう、ヴェイパーフライ ネクスト%にはVapor Weave(ヴェイパー ウィーブ)素材が採用されています。
また、フライニット素材と比べて、通気性も高いことが実証されています。
これはシューズ内に水が浸透してしまってもすぐに乾く、速乾効果を生んでくれます。
シューレースが外側へ流れる構造になった

走行中の足の甲に対しての圧力を最小限にするため、シューレースを外側へ流す構造にしています。
これはプロランナーのモーファラーの意見を参考に実装されました。
また、この構造は陸上スパイクにも採用されている構造で、コーナリング性能も高いと言われています。
マラソンは直線を走るわけではないので、様々なコースに対応した構造と言えます。
履いた感想として、この構造が影響しているのかは分かりませんが、足の甲部分の快適性は前作以上だと感じました。

ズームX素材を前作と比べ15%増量!!

ズームX素材とは、ナイキが展開しているミッドソール素材の中で反発性、軽量性、クッション性が最高峰となっています。
軽いのにクッション性が抜群で、その癖反発性も抜群というお化け素材です。
航空宇宙産業の分野から取り寄せている特別な素材となっているため、数に限りがあり高額であることがネックとなっていますが、その分今までのシューズでは感じることのできないスピード感と軽量性、クッション性を実現しています。
また、寿命が短いことが最大のウィークポイントでした。
前作のヴェイパーフライ4%フライニットは、約160kmほどの寿命となっており、通常のナイキランニングシューズが約800kmなのに対し、1/4ほどの軟弱な素材として有名です。
しかし、ヴェイパーフライ ネクスト%はズームX素材を15%増量したことで、約400kmに寿命がUPしています!!
これはかなり嬉しいポイントで、約2倍ということは経済的にも30,000円ほど浮く計算になります。
寿命の短さが影響し、練習で使用できなかったランナーも多数いたと思います。
400kmとまだ心持たない寿命かもしれませんが、この短期間で十分な進化だと感じています。
なお、前足が4mm、ヒールが1mm厚くなっています。
15%増量で全体の容量は増えましたが、アッパーの軽さが影響し、重量は前作と据え置きです。
オフセット(ドロップ)が前作の10mmから8mmに変更

オフセット(ドロップ)が前作のヴェイパーフライ4%フライニットと比べ2mm低くなっています。
効果としては、地面と少し近くなったことで着地から蹴り出しまでのスピードが上がり、よりスピーディーな走りが可能となりました。
スピードが上がる=フォアフットに近い走りとなるため、フォアフットで走りたいと考えているランナーには吉報かもしれません!
前作同様フルレングスの純カーボンを内蔵

ズームX素材の反発性と間に内蔵された純カーボンプレートの効果で、プロランナーが手放せなくなるほどの推進力を生んでいます。
イメージとしては、跳び箱のロイター板と言ったところでしょうか。
自然と前へ進み、フォアフット走法に近い走りを自然と行えます。
スピードを落とした走りでは効果を感じないかもしれませんが、スピードを上げた時、上げた時の走りは風になったような感覚に陥ります。
言い過ぎかもしれませんが、それくらいスピードを感じる走りが可能となっています。

形状が大きく変化したアウトソール

もはや別のシューズと思ってしまうほど進化しています。
ラバーの数を減らし軽量化、溝を深く数を増やすことで柔軟で濡れた路面でもしっかりとグリップの効く走りを可能しています。

気付いた方がいるかもしれませんが、以前限定販売されたナイキ ズーム ヴェイパー フライ エリートに近い構造となっていますね。
プロランナーが使用していたモデルで、定価59,400円もしたプレミアモデルです。
この構造を基本とし、より柔軟でグリップが効く構造へと進化しています。

ヴェイパー フライ ネクスト%機能面を評価してみた!

クッション性:★★★☆☆
反発性:★★★★★
軽量性:★★★★★
耐久性:★★☆☆☆
デザイン性:★★★★☆
グリップ力:★★★★☆
価格:★☆☆☆☆
反発性は★10レベル!!軽さはナイキフルマラソンシューズで最軽量!耐久性と価格がネックではあるが、上を目指すランナーであれば必ず手にしたいランニングシューズです!

さいごに…

いかがでしたでしょうか?
機能面のテーマは『水への強さ』
水に強いアッパーと濡れた路面でもグリップの効くアウトソールがこのテーマを物語っていますね!
また、販売時期も相まって、通気性抜群のアッパーが夏の暑い日のランニングを後押ししてくれる印象です。
水に強い=汗に強い、通気性=汗を抑える
…完璧です!!
ランナーのレベル問わず、まずはナイキの最高峰のランニングシューズ”ヴェイパーフライ ネクスト%”を使用してみませんか?

男子1位:キプチョゲ
男子2位:ゲレメウ
男子3位:Washiun
男子4位:キタタ
男子5位:モーファラー