目次
はじめに…

今回は、YouTubeの動画でも解説したナイキ エア ズーム ストラクチャー 22を記事で改めてレビューしたいと思います。
少し、ストラクチャーの歴史についてお話しします。
今から約30年前の1991年に初代ストラクチャーが販売され、ナイキのランニングシューズの中でも最も安定性に優れた一足として販売されました。
2020年の現在もオーバープロネーション対応の安定性の高いランニングシューズとして君臨しているストラクチャーは、安定性が高いという当初のテーマをそのままに、現代の技術でよりランナーをサポートする一足として販売されています。
その方法を知るにはナイキ エア ズーム ストラクチャー 22に搭載されている
という構造を知る必要があります。
まずは、”ダイナミックサポート”について解説しますので、初めて聞いた方は特に事項を要チェックして下さい。
ちなみに、販売から2年近く経過している状況なので、廃盤の噂が絶えないモデルです。
「今更?」と思った方が多いかもしれませんが、だからこそのレビューであることをご理解頂けると嬉しいです。
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ダイナミックサポートとは?

簡単に説明するのであれば少し前までカテゴリ問わずナイキシューズに用いられていたルナロンクッショニングシステムをオーバープロネーション用に改良した構造が”ダイナミックサポート”です。
「いやいや、分かりにくいって。。。」…ですよね。
もう少し詳しく解説させて頂きます。
ルナロンクッショニングシステムは、反発性の高い(少し硬い)ファイロン素材の器にクッション性の高いクシュロン素材(柔らかい)をはめ込んだ構造を指します。
当時は反発性とクッション性を両立した画期的な構造でした。
少し細かい話を補足すると、今ナイキで主流となっているリアクトは、ルナロンクッショニングシステムを進化させた新ルナロンとして展開されています。
要は、リアクトはルナロンクッショニングシステムの進化版ということですね。
話を戻します。
このルナロンクッショニングシステムの内側部分の柔らかいクシュロンを減らし、硬いファイロン素材を増量した構造が”ダイナミックサポート”です。
着地時に内側に足が傾いてしまう誤った走法をオーバープロネーションと呼び、この走法は足への負荷を増加させ、怪我などを誘発してしまいます。
この内側への傾きを改善する構造が”ダイナミックサポート”となっています。
以前はリアクトになる前のオデッセイやルナグライドと呼ばれるナイキランニングシューズにも搭載されていた構造ですが、2020年の現在はストラクチャー 22のみに搭載されてます。
しばらく新作が出ていない状況ではありますが、オーバープロネーションに対応したランニングシューズはストラクチャー 22のみなので廃盤の可能性のある今だからこそ、知る必要があるのかもしれませんね。

ナイキ エア ズーム ストラクチャー 22の基本情報

商品名:ナイキ エア ズーム ストラクチャー 22
スタイル:AA1636(メンズ)、AA1640(ウィメンズ)
対象タイム:推奨タイム無し、時間を無視して完走が目標のランナー向け
オススメ用途:オーバープロネーション気味のランナーの練習用、初心者のレース用
オフセット(ドロップ):前作同様10mm(前足部12mm、ソール22mm)
足型(ラスト):MR-10(前作、ボメロと同じ)
備考:ナイキ契約のプロランナーのゲーレン・ラップ選手が練習用に愛用している
重量:メンズ28cmで約305g、ウィメンズ25cmで約252g
※1 前作の21は、メンズ28cmで約295g、ウィメンズ25cmで約255g
※2 Nike.com掲載の重量は新品時にシューズ内に入れられている紙を入れた重量だと思われます

エンジニアードメッシュを採用したアッパー

ストラクチャー 22のアッパーには、ナイキランニングシューズお馴染みの高級メッシュ”エンジニアードメッシュ(フライメッシュ)”が採用されています。
つま先部分などの負荷がかかる部分はタイトに編み込み耐久性を、足の甲などの熱がこもりやすい部分はオープンに編み込み通気性を提供してくれます。
また、”エンジニアードメッシュ(フライメッシュ)”は軽量性に優れている点も嬉しいポイントです。
ちなみに、”エンジニアードメッシュ(フライメッシュ)”は初代4%やズーム フライなどのランニングシューズトップモデルにも用いられていたことも忘れてはいけません。
シューレース周りもサポート性バッチリ

ストラクチャー 22は、シューレース(靴紐)の周りのサポート性の高さも抜かりがありません。
今はあまり用いられることが少なくなったテクノロジーではありますが、中足部をガッチリと固定してくれる”フライワイヤーテクノロジー”を搭載しています。
吊り橋のワイヤーからヒントを得て開発された”フライワイヤーテクノロジー”は、超軽量なので重さを変えることなくブレない履き心地を提供してくれます。
耐久性に乏しい部分はあるのですが、使用者の好みに合わせた細かいサイズ調整を行える点もストレスの無いランに繋がる大切な要素となっています。
また、シューレースは凹凸のある薄い平織りタイプです。
凹凸があるのでランニング時の解けを最小限にしてくれます。

ちなみに、シュータン(ベロ)の部分は、昔ながらの厚手の形状で柔らかく良く言えば快適性が高い、悪く言えばズレや圧迫感が高い…。
好みの問題かもしれませんが、現在の薄手タイプに慣れてしまった私は違和感を感じてしまいました。
慣れって怖いですよね。。。
合成樹脂でがっちり足を固定
ストラクチャー 22は、ヒール部分に硬い合成樹脂を配置することで、かかとを手で掴まれているかのような固定感と内側への寄りを防ぐオーバープロネーション対策を施しています。


かかとを手で掴まれているかのような固定感は言わずもなですが、少し伝わりにくい内側への寄りを防ぐオーバープロネーション対策も画像を見れば一目瞭然です。
内側の合成樹脂の面積を広くすることでやや内側が硬くなるため、ミッドソールの”ダイナミックサポート”と連動し内への寄りを最小限にしてくれています。
この細かい気遣いはランナーとしては非常に喜ばしい工夫ではないでしょうか?

ダイナミックサポート搭載のミッドソール

冒頭で紹介したとおり、ストラクチャー 22は、反発性の高い(少し硬い)ファイロン素材の器にクッション性の高いクシュロン素材(柔らかい)をはめ込んだ構造ルナロンクッショニングシステムを応用し、内側部分の柔らかいクシュロンを減らし、硬いファイロン素材を増量した構造が”ダイナミックサポート”を搭載しています。
この構造はナイキランニングシューズで唯一無二となっており、オーバープロネーション気味のランナーでナイキ好きの方であれば必買な一足と言えます。
前足部分にはズーム エアが搭載されています

前足部分には、ズームX以上の90%の反発性を叩き出したズーム エアが搭載されています。
前足に搭載されているということは、初心者に多いヒール着地のヒールストライク走法の蹴り出しの際やフォアフット走法のランナーの着地から蹴り出しの一連の流れをサポートしてくれます。
ズーム エア搭載シューズは、背中をポンっと押してくれるので、跳ね返りは強いかもしれませんが、サクサクと前へ進む感覚はランニングを楽しくしてくれるはずです。

グリップ力と足のブレを抑えてくれるアウトソール

アウトソールは、ペガサスシリーズなどに多く用いられる構造を採用しています。
ただ、切れ込みを減らし、柔軟性をあえて軽減している点に注目しましょう。
柔軟性を抑えることで、着地時のブレを軽減し、これまた内側への寄りを防いでくれます。
また、一応初心者向けのランニングシューズなので、ラバーを広範囲で配置し、抜群のグリップ力を発揮してくれます。

ストラクチャー 23のサイズ感について

私自身、多くのナイキのパフォーマンスシューズ(スポーツ用のシューズ)は28cmを軸に試着し、基本サイズを変更することなく使用できています。
そんな私が、ナイキの薄手のランニングソックスを用い試着した結果、ヒール部分がブカブカと浮いてしまうという結果に。。。
初心者ランナーであればストレスを感じないゆとりのあるサイズ感と感じる可能性はありますが、中、上級ランナーであれば心持たないサイズ感であると感じるはずです。
足長、足幅に余裕があるのであれば0.5cmサイズダウンする、もしくはサイズを変えず厚手のソックスを使用する工夫が必要かもしれません。

ストラクチャー 23の機能面を評価してみた!

クッション性:★★★★☆
反発性:★★☆☆☆
軽量性:★★☆☆☆
耐久性:★★★☆☆
デザイン性:★★★☆☆
グリップ力:★★★★★
価格:★★★★☆
近年の厚底タイプのナイキランニングシューズと比べると全体的に劣っている印象を受けますが、機能面を度外視するほどオーバープロネーション対応のナイキランニングシューズは貴重です。
特別感や特化という項目があれば★5だったかもしれません!!

さいごに…

要所で紹介したとおり、現在”ダイナミックサポート”搭載ナイキランニングシューズはナイキ エア ズーム ストラクチャー 22のみとなっています。
そのため、オーバープロネーションに悩んでいるランナーでナイキランニングシューズを使用したい方はぜひ一度ナイキ エア ズーム ストラクチャー 22を使用してみることをお勧めします。
今までのナイキランニングシューズで満足いかなかったオーバープロネーションの気味のランナーの救世主になるかもしれません。
ナイキ契約のプロランナー ゲーレン・ラップ選手をはじめ、数多くのプロランナーも練習時はサポート性の高いシューズを使用し身体への負担を軽減しています。
また、チップやトラックを走るよう心がけ、アスファルトを走行することはあまりないようです。
しかし、一般のランナーがそこまで気を遣いランニングするのは、環境を考えても非常に難しいと思います。
そこで、アスファルトから受ける身体への負担を少しでも軽減するためにも、ナイキ エア ズーム ストラクチャー 22などのサポート性の高いシューズを併用しましょう。
シューズを併用することは、シューズを長持ちさせる効果も期待できるのでお勧めです。
個々で感じ方が異なる部分は多々あると思うので、Nike.comの返品制度を活用し、まずは実際に使用してみてはいかがでしょうか?
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オーバープロネーションへの対応方法